去年の今頃は「重いランドセルを背負ってひとりで学校まで行けるのかな」と不安でいっぱいだったけど、一緒に登校しながら2週間もしたら「お友達といくからひとりで大丈夫」と。
あっという間に新しい環境にも慣れ、親の方が後ろ髪を引かれていたものです。
なんだかもう顔つきがすっかり小学生。この一年の違いは大きい。
そしてこの一年間面倒をみてくれた6年生の存在が娘には貴重だったようです。
休みのたびにクラスを行き来している仲良しの6年生の話をよく耳にしてました。甘えにくい長女という立場から解放され、無条件にかわいがられる環境がうれしかったのかな。
その6年生のお別れ会があった日。
帰ってきてランドセルを下ろしたらそのまままっすぐテーブルに向かって何かを書き出した長女。何かあったのかと心配になるほど真剣な面持ちでダイアリーに書いています。
どうしたのかと尋ねると「ちひちゃんの事を忘れたくないから」と、お別れ会があった事を記しながら、その日思った事を書いていたのです。
そういえば、保育園を卒園した時も同じような事があったな。
おもむろに何かを書いていて、なにかと思えば
「○○ちゃん、よくてがみをくれる子」
「△△ちゃん、ちいさくてよくわらう子」
「◇◇ちゃん、えがじょうずな子」
クラスの子全員の特徴を書き残していました。
その時も「忘れたくないから」という理由で。
どうして知っているのだろう。
時がくれば忘れてしまう事を。
記憶は美化され、抜け落ち、デフォルメされ、いびつな形になってしまう事を。
忘れてしまうほどの記憶なら必要ないとも思うけど、その時に感じたピュアな気持ちを残すのは悪くない。
バラバラの小学校へ行った友達の事。
よほどの事がない限り再び時間を共有するのも難しい6年生の事。
いつかそれを見て、そんな自分がいた事を思い出したらいい。
いろんな人と交わりながら大きくなった事を。
それを心地よく感じていた事を。
誰の言葉も届かない時、自分の言葉が助けてくれるかもしれないから。